東京高等裁判所 昭和52年(ネ)1195号 判決
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【判旨】
三右のとおり本件土地は、控訴人からミチ子に贈与され、ミチ子の死亡により被控訴人らがこれを相続したものというべきであるから、控訴人に対しその所有権移転登記手続を求める被控訴人らの本訴請求は正当として認容すべきであり、右と同旨の原判決は相当であつて本件控訴は理由がない。
なお、原審においては、ミチ子の相続人である被控訴人らは、ミチ子への本件土地贈与者である控訴人に対し直接被控訴人ら名義に所有権移転登記手続をなすべき旨の請求の趣旨を掲げ、原審はこれをそのまま認容している。しかし、不動産物権の変動は原則としてそのまま登記簿に表示されるべきであり、贈与者から或る不動産の贈与を受けた受贈者が当該不動産につき所有権移転登記手続を経由しないまま死亡し、相続人が受贈者を相続した場合においては、該相続人は、贈与者に対し直接相続人(自己)名義に所有権移転登記手続をすべきことを求めることは許されず、まず贈与者に対し受贈者(被相続人)名義に所有権移転登記手続をすべきことを求めて受贈者名義とし、ついで相続人名義に相続登記をなすべきものと解すべきである。ところで、被控訴人らの本訴請求の目的が本件土地を被控訴人らの所有名義にする点にあることはその主張自体に徴し明らかであるから、被控訴人らの本訴請求の趣旨及び原判決主文第一項は、相続登記をなす前提として、控訴人に対し本件土地をミチ子名義に所有権移転登記手続をなすべきことを求める趣旨のものであり、原判決はこれを認容したものと解するのが相当である。したがつて、右の点を明確にするため、民訴法一九四条に則り、原判決主文第一項を本判決主文第二項のとおり更正することとする。
(蕪山厳 浅香恒久 安國種彦)